株主優待をオトクにゲットする方法として、クロス取引(つなぎ売り)について本サイトで先日ご紹介しました。
その時ご紹介した通り、クロス取引を行うためには一般信用取引で希望の銘柄の信用売を行うわけですが、人気の銘柄では信用取引をしようとしても証券会社の「在庫」が既になくなっているということがあるようです。
2月はイオン、吉野家、ビッグカメラなど、多くの人気銘柄が権利確定日を迎えますが、人気銘柄の争奪戦で生き残るためのある方法についてご紹介したいと思います。
SBI証券の「フライングクロス」を利用して信用売を実施
通常のクロス取引を実施するためには、権利落ち日が5営業日後(以内)になるように、一般信用売の注文を入れる必要があります。
例えば、昨年12月の例でいうと以下の通り12/21以降に信用売が約定するように12/20 19時以降に信用売の注文をする必要がありました。
ですが、さらに確実に人気銘柄の信用売の在庫を確保する方法として、「フライングクロス」と俗に呼ばれている方法があります。
これはSBI証券で実施できる方法なのですが、通常より1日早く、上記の例で言うと12/19の19時以降に信用売の注文を実行し、12/20に約定させます(信用売の注文後は通常のクロス取引と同様に現物買の注文も入れます)。
通常ですとその場合12/26までに決済をするのですが、決済をせず12/27朝まで持ち越します。
すると、12/26は取引市場終了時点で株主の状態でしたので株主優待の権利は確保でき、12/27朝には信用売が「強制決済」されます。
こうすることにより、通常より1日早くクロス取引を開始できますので、信用売の在庫も確保しやすくなるというわけです。
多くの方が人気銘柄ではフライングクロスを実施されているようですので、私も必要に応じて実行しようかと考えています。
なお、通常のクロス取引と異なり「現渡」はできませんので、クロス取引として行った現物買で入手した現物株について、成行売りの注文を出す必要があります。
フライングクロスのメリット・デメリット
上記ご説明したフライングクロスですが、通常のクロス取引との違いをメリット・デメリットとしてまとめまると、以下の通りです。
メリット
- 1日早く注文を出すので、人気銘柄の信用売を確保しやすくなる。
デメリット
- 現渡ができないため、信用売の決済と現物売の決済の2重で手数料がかかる。
- 信用売の株を1日長く借りることになるため、貸株料が余計にかかる。
2月の優待ゲットに向けて
来月(2018年2月)の株主優待に向けて、フライングクロスを実施するためのスケジュールをまとめると以下の通りとなります。
- フライングクロスを実施するためには、2/16 19:00より一般信用売の注文を行う。
- 通常のクロス取引を実施するためには、2/19 19:00以降に一般信用売の注文を行う。
まとめ
今回は株主優待をクロス取引でゲットする際に、より確実に信用売の在庫を確保する方法として、SBI証券で実施可能な「フライングクロス」についてご紹介しました。
フライングクロスを実施すると手数料は通常のクロス取引の2倍程度かかってしまいますが、1日早く信用売の注文を出すことになるため、信用売の在庫を確保できる確率は上がります。
クロス取引実施の際に毎回フライングクロスを実施する必要はないのかもしれませんが、多少手数料が上がっても確実に優待品を入手したい銘柄の場合は利用するのも一つの手ではないでしょうか。
SBI証券の口座をまだ開設されていない方は以下をご参照ください。